エレメント(L)
→組み立て(U)
→アクセントつきグリフを構築(B)
コマンドを使って、アクセントつきグリフを組み立てることができます。または、エレメント(L)
→組み立て(U)
→複合グリフを構築(C)
を使えば、わずかに一般的な (外字などを含む) 複合グリフの組み立てが行えます。「アクセントつき」の方は、合字の作成やアルファを A で代用するようなことは行えません。「複合グリフ」のほうは、そのどちらも行えます。私の見積もりでは、美しく見える合字 (“fi”合字のような) を作るためには一般的にユーザ側で行う必要のある作業がそれよりも少し多くなります。“fi”の場合、“i”のドットは“f”の先端と融合させる必要があり、このコマンドの使用時にうっかりしていると、すべての作業を不注意で壊してしまう可能性があります。
どのような物を組み立てられるか?
複合グリフを構築(C)
コマンドで組み立てる必要があります)。エレメント(L)
→グリフ情報(I)...
を使って、自分で合字を定義すれば、FontForge はそれを組み立ててくれます。
アクセントつきグリフを構築(B)
を適用すると、適当なラテン文字を見つけて、それを適切に回転します。
それにより、フォントビュー上で選択した各グリフ (または、アウトラインビューの場合は現在のグリフ) に対して、そのグリフが必要とするすべての基底グリフとアクセントが既に作成されている場合に限り、このコマンドは前面に含まれる物をすべて削除し、その代わりに、基底グリフへの参照とアクセントつきグリフへの別の参照を前面に配置します。例えば現在のグリフが“À”である場合、“A”への参照がそのグリフに追加され、“`”への参照が“A”の上に中央揃えで配置されます。
もし コピー元の指定(F)
が すべてのフォント(A)
に設定されている場合、各ビットマップにも同様の処理が施されます (アウトライングリフビューで実行した場合でもこれは同じです)。
アクセントの選択では、わずかに込み入った処理が行われることがあります。Unicode は、アクセントつき文字は 0x300〜0x340 の範囲に含まれるアクセントから組み立てなければならないと定義していますが、PostScript ではこれはあまりうまく動作しません。Type1 フォントは、アクセントつきグリフが Adobe Standard Encoding に従って配置されているとき (つまり、0x2d0 付近のアクセントまたは ASCII のグリフを使用しているとき) のほうがうまく動作します。FontForge はまず 0x2d0 近くのアクセントを探そうとし、次に ASCII の中を探し、最後に 0x300〜0x340 の範囲を探します。更に悪いことに、Unicode はギリシャ文字とラテン文字のアクセントを統合しているので、ギリシャ文字に対しては FontForge は 0x1fbd 付近のアクセントを探します (FontForge は、その他にも 0x1fdd のような二重アクセントの存在を要求することがあります)。
Adobe のフォントのいくつかは大文字用にデザインされたアクセント (通常のアクセントは小文字用にデザインされています) および、キリル文字用のアクセントを含んでいます。そのようなフォントにおいては、“Agrave”を組み立てようとした時、FontForge は“A”と (標準の“grave”ではなく)“Grave”(または“grave.cap”) からそれを組み立てます。
すべてのアクセントが基底文字と中央揃えで配置されるわけではありません。セディラは (通常) 基底文字の下に中央揃えで置かれますが、他のアクセントは右か左に置く必要があったり、重ねて印字する場合すらあります。FontForge はほとんどのアクセントの正しい配置 (または、少なくともその粗い近似) を知っているはずです。
Unicode のグリフのいくつかは 2 つ以上のアクセントを含んでいます。追加のアクセントも同様に扱われるでしょう。このコマンドは、より一般的な複合グリフを生成するのに使うこともできます。
ある種のアクセント (例えばセディラのような) は、いくつかの文字においては (言語によって扱いが異なった) 思いがけない扱いを受けますので、セディラつき g にはご注意ください。Å も、A の最上部とリングが融合するデザインはよく見られますが、ここでは上部に浮かんだ形となります。ご注意ください。
アクセントをグリフの上部に配置する処理は驚くほど込み入っています。中央揃えのアクセント (グレーブアクセント、アキュートアクセントなど) はグリフのちょうど真中に配置してはならないからです。例えば、アキュートアクセントを“a”の上に置く時には、実際のアクセントの位置は“a”の最も高い部分 (グリフのほぼ中央ですが、正確な中心ではありません) の上に配置しなければなりません。また、“k”の上にアキュートアクセントを配置する場合 (めったに見ない組合せですが、実在します) 、アクセントは“k”のステムに中央揃えで配置されます。ギリシャ語のアクセントはそれよりはるかに複雑怪奇です。FontForge は特異なアクセント配置をたくさん知っていますが、すべてを知ることは永久に無いでしょう (複数の形が存在する文字がいくつかあり、それはフォントにより、またはおそらく湿度や月相により異なります)。
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さらに、アクセントの中央揃えの方法はアクセントそのものに依存します。FontForge は通常、アクセントの中央をグリフの「中央」に揃えようとしますが、これは常にうまく動くわけではありません。グレーブアクセントおよびアキュートアクセントは通常 (常にではありませんが) そのグリフの最下部のみが中央揃えの対象となります。
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FontForge は、アクセントをどこに置くかごくわずかな調整手段を与えています。(ファイル(F)
→環境設定(E)
で) 設定可能な環境設定項目が 2 つ存在します。
注意: ここで FontForge は何か間違いを犯すに違いありません。私が知らない領域はあまりにたくさんありますし、私の趣味があなたのお気に召さない場合もありますし、プログラムにバグがある可能性もあります。アクセントつきの文字を作成したらそれらをすべて確かめ、まずい点があったら修正する心構えでいるように強く推奨します。
アルゴリズムは italicangle の値にある程度影響を受けますが、イタリック (またはオブリーク) のフォントで作業をしている時は、FontForge はあなたの望むとおりに動作しない可能性がはるかに高くなります。
その他、何かうまくいかない点がある場合、自分で 編集(E)
→参照をコピー(O)
と 編集(E)
→貼り付け(P)
を使ってアクセントつきグリフを組み立てることができます。
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