グリフのグループ

グループとは、一定のグリフの集まりです。自分の好きな任意の集合をグループとすることができます。作者の予想では、グループは (何らかの形で) 視覚的に緊密に関連していて、フォント内の他の文字に視覚的に邪魔されずに吟味・変更ができるグリフをまとめるのに使用できるでしょう。ですから、多くの場合類似した形態をもつ "b d p q" からなるグループを作ることができるでしょうし、韓国語フォントでは、ある初声をもつ全音節文字を見たいという需要があるでしょう。

グループ内のグリフはグリフ名、Unicode の符号位置または Unicode 値の範囲によって指定することができます。上記の例はすべてグリフ名を使用しています。Unicode 符号位置は“U+XXXX”(ここで XXXX は 16 進数を表します) のように表示されます。場合によっては、フォントがこの記法をグリフの命名に用いていること (望ましくないことですが、散見されます) がありますが、そのようなグリフは自明な Unicode 値をもってるでしょうから、その場合でも一致するはずです。Unicode コードポイントの範囲は“U+XXXX-U+YYYY”(XXXX < YYYY) のように表記します。

グループは階層的です。グループはグリフのリストか、サブグループのリストのどちらかを含むことができます。(もし (フォントビュー内で) サブグループを含むグループを表示すると、全てのサブグループに含まれるグリフが表示されます。もし必要なら、同じグリフを複数回表示することもできます。ですから、あるグループが "A A A A" を含んでいれば、フォントビューでは "A" のコピーが 4 回表示されます (なぜそうしたいのかよく分かりませんが、それは可能です)。グループを定義するときには、うっかり複数のグループに同じ文字を複数回 (または同じ文字に 2 度) 定義していないかを FontForge がチェックするかどうかを選ぶことができます。

グループ毎の表示

グループ毎の表示ダイアログの例を右のスクリーンショットに示します。トップレベルグループは "Group" という名前で、2 個のサブグループがあります。サブグループ "Vowels" は末端のグループで、ラテン文字の母音からなるグリフ名を含み、もう一つのサブグループは "consonants" という名前で、それ自体 3 個のサブグループからなります。

子要素をもつ任意のグループには (名前の左に) "+" または "-" を含む四角い箱が含まれています。この箱をクリックするとグループの全てのサブグループを展開するか、それが見えないようにしまうかの表示を切替えます (ここではすべて展開表示しています)。

グループの名前をクリックするとそのグループが選択されます (再度クリックすると選択解除されます)。ここではグループ "ascenders" と "descenders" が選択されています。もし [OK] を押すと、選択中のグループに含まれるグリフ "b d f h k l t g j p q y" がこの順番でフォントビュー内に一覧表示されます。

一番下にあるチェックボックスで、結果をコンパクト表示するかしないかを指定することができます。

グループを定義

このダイアログは前のダイアログよりも少し複雑です。これもダイアログの一番上にグループリストを含んでいますが、ここでは一度に 1 個のグループしか選択できず、そのグループに関する情報がダイアログの一番下に編集可能な形で表示されます。

[削除(D)] ボタンでグループを削除できます (選択中のグループに含まれるすべてサブグループも削除されます)。そのグループにグリフが存在しない場合、サブグループを追加することができます。各グループには名前がついています。グループにサブグループが存在しない場合、グリフを追加することができます。

[セット] および [選択] ボタンは対応するフォントビュー内での文字選択と連動しています。[セット] は、フォントビュー内で選択されたグリフをグリフリストにセットします。一方、[選択] は、フォントビューの選択範囲にをグリフリストで指定されたグリフ群に変更します。通常、グリフはグリフリストに <*>名前 によって追加されますが、ラジオボタンを <*>Unicode に切替えると、グリフは U+0067 U+006A U+0070-U+0071 U+0079 という形で指定されます。

[*]グリフの重複無し を選択していると、FontForge は同じグリフ名 (または Unicode 符号位置) を入力することを禁止します (ff は "A" と U+0041 が重複することを許します——作者が怠惰で、チェックに余計に手間がかかるわりにあまり起こりそうに無いと考えたからです)。親グループでこれが設定されていると、子要素のグループ間でのグリフの重複も禁止されます。

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