+ フォント出力ダイアログ

フォント出力ダイアログ

このダイアログでは、アウトラインとビットマップ両方のフォントファイルを出力します。どちらか片方を出力しないようにすることもできますし、AFM ファイルや PFM ファイルを出力したり、 PostScript 出力のタイプや出力するビットマップのピクセルサイズを選択することもできます。

アウトラインの種類は以下のとおりです。

ビットマップの種類は以下のとおりです。

オプションダイアログには、以下のチェックボックスがあります。これらのすべてが常に使用可能なわけではありません。

TTF (と OpenType) フォントは通常 Unicode エンコーディングで出力され、それに加えて小さな Macintosh 用の MacRoman エンコーディングのテーブル (および Macintosh の Unicode エンコーディングのコピー) も出力されます——例外は以下の通りです: Symbol フォントは Symbol エンコーディングを使用し、KS C 5601 と Wansung のフォントは Wansung を使用し、Johab フォントは johab を、JIS X 0208 と SJIS のフォントは SJIS を、Big5 のフォントは big5 エンコーディングを使用します。“Full Unicode”エンコーディングを持つフォントは、2 バイトの Unicode エンコーディングテーブルと 4 バイトのテーブルの両方を含むことができます。OpenType 形式の CID フォントは Unicode エンコーディングで保存されます。

PostScript フォントは、どのようなエンコーディングでもそのまま出力します (例外として、2 バイトエンコーディングのフォントを (Type0 でなく) Type1 形式で出力した場合、最初の少数 (256 個) のグリフだけが符号化されます)。Type0 フォントは完全版の Unicode (4 バイト) エンコーディングをサポートしません。

PS CID (および OpenType に含まれる CFF 形式の CID) ではエンコーディングは保存されません。エンコーディングは別個の CMap ファイルに含まれており、それらは Adobe (およびおそらく他のフォントベンダ) から入手可能です。

CID フォントを PS CID か OpenType CID 以外のフォーマットで保存した場合、現在表示されているサブフォントのみが、現在の無意味なグリフエンコーディングに従って保存されます (これは、CID フォントから特定のサブフォントを取り出したいときには役に立つと思います)。

SVG フォントには、実質的に Unicode 以外のエンコーディングの概念はありません。

TTF (と OpenType) フォントは、もしそのフォントで縦書きメトリックが使用可能になっている場合、縦書きメトリックを出力します。PostScript エンコーディングは Metrics2 辞書を出力しません (どなたか希望する人がいましたら知らせてください。やれば出来るのですが、誰もそれを使わないだろうという印象を持っています)。

Mac OS X では、PostScript フォントを含むリソースフォントを生成するとき、filename テキストフィールドは存在しないでしょう (ファイル名はフォント名から決定されるからです)。その場合でも、ディレクトリを選択することはできます。

出力するビットマップサイズはフォントデータベースにすべて存在しなければなりません。アンチエイリアス処理したフォントは、ピクセルサイズの後ろに“@<depth>”(例:“@8”) を付け加えることによって指定することができます。

BDF フォントを出力すると、後から解像度を入力するように促されます。

「グリフ名を強制的に変更」フィールドに関する議論については名前リストのセクションを参照してください。

OpenType モードを設定して TrueType または OpenType フォントを出力すると (注意:“OpenType”という用語は 2 つの意味があります。PostScript フォントに対する TrueType ラッパという意味と、組版用の情報を含んだテーブルのセットの意味です。——ここで言う OpenType モードとはテーブルのセットのことです) FontForge は GPOS, GSUB および GDEF テーブルを出力します。これらはカーニング、合字情報、アラビア文字の位置依存の形情報、アンカーポイントなどを含みます。

Apple はこれらの OpenType レイアウトテーブルをサポートしていません。Apple モードを設定したときには、その代りに ‘kern’,‘opbd’,‘morx’,‘feat’,‘lcar’ および‘prop’ テーブルを出力します。(それに加え、その他の小さな相違点が 2, 3 表れます。)

Apple と OpenType の両方を設定している場合、両方のテーブルセットが出力されます。どちらも設定していない場合、‘kern’テーブルのみが出力され、そこにはペア単位のカーニングのみが含まれます (カーニングクラスや状態機械によるカーニングは含まれません)。これはオリジナルの TrueType の仕様に存在した種類のカーニングです (そこから Apple と OpenType の仕様は岐れましたが、どちらも今なおサポートしています)。


Mac ファミリーを出力

これは上に挙げたのと非常に似たダイアログを起動しますが、2, 3 の追加フィールドがあります。このダイアログは Mac ファミリーのためであり、Mac フォーマットのみがサポートされているからです。

[保存(S)] ボタンのそばには、このファミリーに含まれると FontForge が考えた全フォントのリストが、そのビットマップ情報と一緒に表示されています。そのファミリーに含めたくないフォントがある場合は、そのチェックボックスを空にしてください。

ファミリー内で使用可能なフォントスタイルは、特定のタイプにつき一つのスタイルのみが使用可能で、“Light”や“Black”といったスタイル (既に“Bold”スタイルがある場合) や“Oblique”(既に“Italic”がある場合) スタイルをサポートしていない‘FOND’リソースの限界により制約されています。一般的に、FontForge はフォント名からそのフォントのスタイルを推測することが出来ますが、場合によってはその設定をフォント情報ダイアログの Mac スタイルで上書きしたくなることがあるでしょう。

このダイアログの能力を超えるような方法で Mac フォントファミリーを作成するための情報については、FAQ を参照してください。



SVG フォント

SVG (Scalable Vector Graphics) フォントには 2 種類の形式があり、片方は PostScript Type1 フォントとほぼ同じで、もう片方は PostScript Type3 フォントとほぼ同じです。

第 1 のフォーマットでは、各グリフは輪郭の集まりによって指定されます。フォントを輪郭線を描画するか、塗りつぶすかを定める指示はありません——その情報は、フォントがテキスト上で使用されるときにグラフィック環境から引き継がれます。

第 2 のフォーマットでは、各グリフには、それを描画するのに必要なストロークおよび塗りつぶしのコマンドを含むことができます。

FontForge は通常第 1 のフォーマットを出力しますが、複数レイヤーまたはストロークフォントに対しては、第 2 のフォーマットで出力します。

目次